新型コロナウイルスによる一斉休校が長引き、日に日に子どもたちの学習の遅れ、そして家庭内で親子が抱えるストレスなどが問題視されてきています。
そこで一気に議論が盛り上がり始めたのが、9月入学・始業論!
コロナウイルスによる危機をきっかけに、9月入学・始業が一般的な外国と合わせ、国際基準と足並みを揃える目的もある模様。
日本の入学や始業といえば4月ですっかり定着していますが、そもそも海外で9月入学が採用されているのはなぜなのでしょうか?
また、4月から9月入学・始業に変わることで子どもたちの年間スケジュールがどう変わるかも気になりますよね。
ということで今回は【9月入学を海外で採用するのはなぜ?年間スケジュール例も確認!】のタイトルでお送りします。
それではさっそく本題に入っていきましょう!
9月入学を海外で採用する理由とは?
最近メディアでも大きく取り上げられている9月入学制。
日本の学校を国際基準に合わせる良い機会とも言われていますが、実際、欧米では9月入学制を採用している国が80%を占めています。
■9月入学制を採用している国■
116か国(欧米では約80%)
- アメリカ
- カナダ
- イギリス
- フランス
- カナダ 他
日本のように4月入学制を取っている国は世界ではわずか3%。
私たちにとって常識だった4月入学制が、世界的にはかなり珍しいことがわかりますね。
9月入学が話題だけど、今まで散々あの国はどうこう比較してくれてきた人達が学習のメリットやらをたくさん出してくれそうで、それを見たメディアがどっちに転ぶか気になるところ
それにしても4月入学が世界的に見て3%だけなのって意外だったけどね— がっきー⊿ (@nogigakkiy) April 30, 2020
なぜ欧米では9月入学制が主流となっているかという理由ですが、農作業に関係していると言われています。
ヨーロッパの農作業の繁忙期は7~8月と夏に集中!
前年の秋に種まきをした冬小麦の収穫時期、そして家畜用の干し草を作る時期も夏なんですね。
- 農家の立場子どもに仕事を手伝わせたい 1年で一番忙しいこの時期は
- 政府の立場教育を受けさせたい 出来るだけ多くの子どもを学校に通わせて
このように、農家と政府、両者にとって一番いい入学のタイミングが農作業が落ち着く9月頃という訳です。
9月を入学・始業のスタートにすれば、農家は子どもに農作業を手伝わせつつ、学校にも行かせることが出来ますね。
これが欧米の始業が9月をスタンダードとしている理由と言われています。
日本も明治時代はヨーロッパを習い、9月入学制を採用していました。
しかし、【1年】とは別に、4月~3月を区切りとする【会計年度】を政府が導入。
入学も会計年度と合わせることになり、大正時代には4月入学制が定着したそうです。
9月入学|海外の年間スケジュールは?
4月入学制から9月入学制に変わると、5か月も年度がずれる訳ですが、学校の年間スケジュールがどのように変わるが気になりますよね。
そこで、9月入学がスタンダードな海外の年間スケジュールをご紹介します!
海外ではどのように休暇や試験のタイミングを取っているか参考にしてみてください。
日本の一般的な年間スケジュール
まずは日本の現行・4月入学制の年間スケジュールを見てみましょう!
4月 | 【1学期スタート】入学式 |
5月 | 定期試験・修学旅行・運動会 |
6月 | |
7月 | 定期試験・総体・インターハイなど |
8月 | 夏休み・甲子園 |
9月 | 【2学期スタート】学園祭・新人戦 |
10月 | 定期試験・体育祭 |
11月 | 遠足 |
12月 | 冬休み |
1月 | 【3学期スタート】入試 |
2月 | 定期試験 |
3月 | 卒業式・春休み |
あくまでも一例ですが、このようなスケジュールで動くことが多いのではないでしょうか?
それでは、9月入学制を採用している海外のスケジュールをご紹介します!
海外の一般的な年間スケジュール
こちらはアメリカの高校の年間スケジュールの一例です。
9月 | 【秋学期スタート】新入生到着・オリエンテーション |
10月 | 中間試験 |
11月 | 期末試験 ★11月24日~30日:感謝祭休み |
12月 | 【冬学期スタート】冬休み(12月18日~1月4日頃) |
1月 | |
2月 | 中間試験 |
3月 | 【春学期スタート※3月末ごろ~】期末試験・春休み |
4月 | 中間試験 |
5月 | 年度末試験 |
6月 | 卒業式・夏休み |
7月 | |
8月 |
日本と同じく、アメリカでも多くの学校が3学期制を採用していますが、【秋学期・冬学期・春学期】と呼ぶことが多いようです。
休暇を長く設けるためか、学期中はかなり試験が詰まっている印象がありますね。
ちなみに9月に【新入生到着】というご紹介がありますが、海外では入学式は行わないことが一般的。
オリエンテーションやガイダンスが終わるとアッサリと学校生活が始まるようです。
そして気になる卒業式のタイミング!
海外では6月4日頃に卒業式を行い、6月5日から9月3日頃までの長い長い夏休みに入ることが多い模様!
日本では、ここまで長い夏休みを設けられないと思いますので、卒業式は後ろにずれこみ、8月頃の真夏に行う可能性が高そうです。
まとめ
今回は【9月入学を海外で採用するのはなぜ?年間スケジュール例も確認!】のタイトルでお送りしました。
欧米で9月入学がスタンダードな理由は、農作業の繁忙期である夏からタイミングをずらしたという背景があるようです。
9月入学制の海外の年間スケジュールを見ると、6月頭に卒業式を行うことが多い模様!
そこから9月まで長い夏休みに入るようですが、日本が3ヶ月の夏休みを設けることは現実的ではなさそうです。
9月入学制を採用したとして、どう日本に合わせたスケジュールを組むのかに注目ですね!